電話帳の二番
CMでも使っている「カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂」
ここに出てくる「電話は二番」。今の電話番号のどこを指しているのかご存知ですか?
ここではキャッチフレーズにまつわるお話をご紹介します。
電話が普及した1890年代
電話が普及し出した頃の1890年代は、電話と電話の間に「交換手」と呼ばれる人がいて、その交換手が相手につなげてくれることによってやっと相手と話ができました。電話機の受話器をあげると交換手につながり、新宿の○番のAさんに繋げてくださいと通話先の交換手に伝えると、Aさんにつないでくれるという仕組みでした。
この○番が文明堂の場合「二番」だったのです。
「電話帳を探す時間と手数を省くだけでも、お客様に対する大きなサービスである」
創立者 宮﨑甚左衛門は、カステラの本場・長崎から東京へ進出する際、東京の方々にも「文明堂」を覚えてもらうために、電話番号がわかりやすいものがいいと考えたそうです。例えばお肉屋さんなら二九八(ニクヤ)番、お花屋さんなら八七八(ハナヤ)番。そして生まれたのが「カステラ一番、電話は九一(ココイチ)番」でした。実は当時の新宿店は「二番」ではなく「九一番」のキャッチフレーズで始まったのです。
その後、覚えやすいのは語呂がいい「カステラ一番、電話は二番」の「二番」に変更していきました。新しい局が開局されるときはすぐさま二番を買い取り、全店の電話が「二番」となった1935年、電話帳の裏表紙に大きく「カステラ一番、電話は二番」と広告を出しました。
宮﨑甚左衛門は「電話帳を探す時間と手数を省くだけでも、お客様に対する大きなサービスである」と語っています。お客様にとって覚えやすく使いやすい、手間を取らせない工夫から「カステラ一番、電話は二番」が生まれました。
今でも電話は二番
その名残りで、現在でもお店や工場などの電話番号下一桁は「二」を使っています。